人と想いを乗せて 未来へ進んでいく
今からおよそ50 年以上も前のこと、
福島県県北地域に路面電車が
走っていたことはご存知ですか?
“チンチン電車”という愛称で親しまれ
50年以上に渡り人々の生活を支えてきました。
令和5年、現存する3台の車両のうちの一つ、
1115号車が当時の姿に改修され、
ふるさと掛田駅に帰ってきました。
福島交通軌道線が 進んできた歴史
- 明治41 年 - 1908
- 現在の福島交通株式会社の前身となる
信達軌道株式会社により福島駅から湯野町の間に13.5km の路線が開通
伊達長岡から保原間4.5kmが開通 - 明治43年 - 1910
- 保原から梁川間6.6kmが開通
- 明治44年 - 1911
- 保原から掛田間6.3kmが開通
掛田駅が開業 - 大正4年 - 1915
- 掛田から川俣間15.6kmが開通
- 大正11年 - 1922
- 保原から桑折間が開通
鎌田火災が発生 - 大正15年 - 1926
- 全線の改軌・電化工事が完了
- 昭和2年 - 1927
- 保原から桑折間、掛田から川俣間が廃線
- 昭和42年 - 1967
- 聖光学院前から湯野町駅間が廃線
- 昭和46年 - 1971
- 福島交通軌道線 全線が廃線
- 令和4年 - 2022
- 霊山こどもの村に寄贈・展示されていました1115号車を引き取り改修工事を実施
- 令和5年 - 2023
- 福島交通掛田駅 敷地内へ1115号車を展示
1115号車復旧に 込められた想い
路面電車の廃線後、9 両の路面電車が
各地に寄贈されました。
現存する3両のうち、
霊山こどもの村に寄贈・展示されていた
1115 号車は、
老朽化により解体・撤去の計画が
持ち上がっていました。
一つの時代を支え続けてくれた
チンチン電車をなんとか後世に残し、
語り継いでもらいたい。
そんな想いを胸に福島交通は再度、
1115 号車を引き取り改修工事を行ない、
懐かしい運行当時の姿に復旧させました。
そして令和5 年、同じく改修工事を行い、
当時の姿を取り戻した福島交通掛田駅 敷地内に、
1115 号車は再び戻ってきました。
かつて、大勢の人々を乗せ、
地域に賑わいを与えてくれた1115 号車は、
これまでの歴史を振り返りつつ、
地域の新しいシンボルとして想いのレールを
未来に繋いでいくことでしょう。